今すぐカードは返納すべき

今すぐカードは返納すべき

 

 おかげで本来は税金、社会保障、災害対策の3分野に限られていたマイナンバーの利用範囲はなし崩し的に拡大。昨年3月4日には24年度末までに運転免許証と一体化させる道路交通法改正案が閣議決定された。

 さらに、個人情報を何に使うかについては、国会を通さずに範囲を拡大できるようになり、「規定された事務に準ずる事務」であれば、法律を変えなくても省令だけで扱う個人情報の種類が追加可能になった。

 既往歴や服用する薬の種類、介護レベル、年金額、納税状況、銀行口座、保険証、免許証、母子手帳……情報管理はザルのまま、ありとあらゆる個人情報を1枚のカードに次々と紐づけようとしているのだ。

「政府は『マイナンバー制度は外国では常識、日本は遅れている』と説明しますが、健康保険証を廃止してカード取得を強制する国はありません。米国の社会保障番号制度は、なりすまし被害が多すぎてカードに『絶対に持ち歩くな』と注意喚起が印刷されています。ドイツはナチス時代の教訓から人に共通の番号をつけるのは憲法違反。他にも漏洩防止が徹底できず、制度を廃止する国も少なくない。これだけ多岐にわたる個人情報を1枚にまとめるのは世界の非常識。ズサンな情報管理で、まず普及ありきの異常さに国民も気付くべきです」(高千穂大教授・五野井郁夫氏=国際政治学)

 

 こんな危険なカードを「持ち歩きましょう」と奨励する河野は、やはり有権者をバカにしている。悪辣なカード普及に国民はいつまで唯々諾々と従うのか。カードを作ってしまった人は今からでも遅くない。役所に行って返納すべきだ。